習癖などが原因となる場合
<指しゃぶり>
指しゃぶりは、上下の前歯がかみあわない開咬や出っ歯の原因となります。
長期間指しゃぶりを続けていると、歯を支えている骨自体が変形してしまうこともあります。
心理的要因もあるので、子供が自発的にやめようと思わないとなかなか治らないものです。
やめなさいと厳しく起こる前に、一度矯正専門の歯科医の相談を受けることが、子供が指しゃぶりをやめるきっかけになることがあります。
<乳歯のむし歯>
通常は、下から永久歯が出てくることで、乳歯の根が溶けグラグラになり、歯が生えかわるという流れが、自然な永久歯への生えかわり方です。
早い時期に乳歯がむし歯になってしまい抜けてしまうと、まだ永久歯が生えてこないため、歯がないスペースが長期間残ってしまいます。
その結果、スペース周囲の歯が倒れこんできたり、永久歯がでこぼこに生えてくることがあります。
このように、幼少期にむし歯が多いと、永久歯の歯並びが悪くなりますから、しっかりと仕上げ磨きをしてあげることと、歯みがきの習慣を作ってあげることが大切です。
<舌を上下の歯の間に突出させるくせ>
唾液をのみ込むときに上下の歯の間に舌を出すくせは、歯ならびに重大な悪影響を与えます。
前歯をいつも後ろから前に押していることになるので、前歯が唇のほうに傾き、出っ歯になったり、歯の間に隙間ができたりしてしまいます。
舌が指の代わりになるくせなので、指しゃぶりと同様に上下の前歯がかみあわない開咬の原因にもなるでしょう。
ご相談にみえる子供の多くに、このくせがあります。
生まれた頃からずっと続いているくせなのでそう簡単には治りませんが、指しゃぶりのような心理的要因からくるくせではないので、装置を使って治すことが可能です。
◆子供に使用する装置の例
舌癖改善装置(タングクリブ)
舌をガードする柵を組み込んだ取り外し式プレート装置や、固定式の装置を使用します。
舌が前に出るのを強制的に防ぐため、いつもの舌の使い方ができなくなり、正しい舌の使い方を誘導する装置です。
強制的とはいっても痛みを生じることはありません。