医院選びのコツ
間違いない矯正歯科医院選びのコツ
みなさんが、「美しい歯」を手に入れたいと思ったきっかけはなんですか?
「芸能人やアナウンサーのきれいな歯並びを見て羨ましく思った。」
「昔から歯が凸凹でコンプレックスに感じていた。」
など、見た目を理由に挙げられる方が多いでしょう。
もともと、日本人は欧米人に比べて「歯並び」には無頓着で、美しい歯というものが人に与える印象を良くしたり、自分の自信につながるとは考えない傾向にありました。
しかし、現代では、TVに映る芸能人の多くが真白で美しい歯並びなのを見て、私たちは憧れを抱いたり同じようになりたいと願うようになってきました。
これはとても素晴らしいことで、美しい歯並びは、笑顔を素敵に見せ、あなた自身の姿や振る舞いに、品を与えてくれます。
では、その「美しい歯並び」を手に入れるためには、どうしたらいいのでしょう。
「短期間で芸能人みたいに
白くてきれいな歯並びを求めるなら、審美歯科でしょう」
「だって矯正は見た目の悪い器具を
長期間つけてなきゃいけないし...」
「矯正の器具って痛そうだし、大人になって矯正するのは
もう手遅れじゃないかな」
きっとみなさんの中には、矯正は「めんどうだ」というイメージがあるのではないでしょうか。
てっとり早く見た目だけをよくするなら、審美歯科で十分効果があります。
しかし、本当に美しい歯並びとは、見た目だけでなく「正しいかみ合わせ」であること。
同じ美しい歯並びのための治療でも、矯正治療は歯を削って差し歯にするのではなく「天然の歯を正しいかみあわせにする」ことが目的の治療法です。
矯正は器具を使って長い治療期間を必要としますから、とてもやっかいな治療だと思われがちです。
でも、天然の歯を生かし正しいかみあわせを半永久的に持続できるので、将来的に健康な歯を維持するためには、実は「一番リスクの少ないシンプルな治療法」なのです。
10年以上前の矯正治療を考えると、痛い・見た目が悪いなど、みなさんがイメージしていらっしゃるマイナス面が確かにあったと思います。
しかし、矯正の技術や装置は日々進歩しており、現在では痛くない・見た目が気にならない治療が可能になりました。
さらに、治療期間も想像以上に短期間で終えることができるようになりました。
この小冊子では、そんな最新の矯正治療についてご紹介します。
みなさんが、「本当に美しい歯並び」を手にいれて、いくつになっても天然の歯で素敵な笑顔を作れる人生を送っていただきたいと願っています。
2009年8月5日 濱田 俊
現代の歯科矯正のすべて
かみ合わせが良いことと、美しい歯並びは同じです。
上下の歯が1本ずつあたっていることを良い歯並びと誤解している方もいらっしゃいますが、本来は下の2本の歯の間に上の1本があたるのが良いかみ合わせの形です。
上下の歯の大きさのバランスが問題になるので、必ずしも全員に当てはまらないこともありますが、これがよい歯並びの基本になります。
では、この理想のかみ合わせと歯並びを手に入れる方法にはどんな矯正治療があるのでしょうか。
矯正治療を行うには、必ず歯に装置をつけなければいけません。多くの患者さまが矯正に踏み切れない要因は、「見た目の問題」と「治療中の痛み」だと思います。
特に、歯の表面に矯正器具をつけて歯を動かす「表側矯正」は、みなさんの中では、ゴツゴツした金属を装着して、いかにも「矯正しています」とアピールするようなイメージがあることでしょう。大人になってからでは、仕事の都合上恥ずかしくてできないと悩まれている方も多いのではないでしょうか。
現在の表側矯正の器具は、とても進化しました。
目立たないことを第一に考えた装置(ブラケット)が多く開発されているのです。
従来のシルバー色のワイヤーでは、どんなにきれいなブラケットを用いてもワイヤーが目立ってしまうことが欠点でしたが、現在はワイヤーの表面がホワイトやゴールドにコーティングされたエステティックワイヤーというものがあります。
その結果、表側の矯正でも驚くほど目立たない治療が可能になりました。
ホワイトワイヤーはコーティングしてあるだけなので、強くひっかいたりすると剥がれてしまいますが、剥がれてきた頃には新しいワイヤーに取り換えるので心配はいりません。
表側からのブラケットがどうしても気になる場合は、歯の裏側にブラケットを装着して治療を行うことができます。
これが「裏側矯正」です。
裏側矯正は以前は、装着当初は話にくい、舌が装置にあたって痛い、歯みがきがしにくいなどのトラブルが起きることがありました。
しかし、最近では新しい裏側用ブラケットの開発により、大きな違和感なく治療を受けていただくことができます。
症例の難易度によって、裏側からだけの治療が困難な場合がありますが、一時的に表側のブラケットやマウスピースなどを使うことで、ほとんどの症例において治療可能です。
たとえば、「リンガルブラケット矯正装置 (インコグニト)」という装置は、いかに装置を小さく薄くするかが良く考えられた画期的な装置です。装置の出っ張りが少なく角が丸いので、世に出回っている裏側からの装置の中では、最も違和感が少なく優れた装置だといえます。
開発者がドイツ人だからでしょうか、細かいところまでしっかりしていることも良い点ですね。金で出来ているので、一般的なステンレスの装置と比べると柔らかくて薄いのが特徴です。また、角がすべて丸いため舌が当たるときの感触がよく、発音にもほぼ影響がありません。
さらに金属アレルギーの患者さまにも大変有効です。
ただし、表側の装置より費用が高くなりますので、ご考慮のうえお選びいただきといと思います。
もう一つ、マウスピース型の矯正装置があります。
「インビザライン」や「クリアアライナー」が有名です。
マウスピース型矯正 (歯科)装置(インビザライン)は精密な歯型をCTスキャンしコンピュータ上で歯を動かして理想とする歯並びになるようにマウスピースを作製します。
一度に動かす量を正確に0.25mmにしたマウスピースを約2週間に一度のペースで交換していきます。
マウスピース型矯正 (歯科)装置(クリアアライナー)は1回の歯型で1個のマウスピースを順次作製していきますので、簡単な治療にはこちらのほうが適しているでしょう。
ただし、どちらの装置も、ほぼ一日中装着する必要があること、装着当初に痛みがあること、一度に動かす量がわずかであるという装置の性格上から治療期間が長くかかるなどの欠点があります。
大きく歯を動かす必要がある場合には、アタッチメントや部分的にワイヤーを用いる必要もあります。どうしてもブラケットを付けることに抵抗がある場合は、デメリットを十分に納得された上で選択されると良いでしょう。
装置が進歩すればそれだけ治療効果が上がることは間違いありません。
ご予算を考慮し、あなたに合った矯正器具は何かを事前に歯科医師と十分に相談して治療方針を決めることが大切です。
よい歯科医・歯科医院と出会うために
矯正治療は、先生や治療方針が合わなかったからといって途中で治療をやり直すことは、経済的にも精神的にもとても負担が大きいもの。
長い通院期間を要する矯正歯科医院選びは、特に慎重になってしまうことでしょう。
よい歯科医・歯科医院とは、あなたにとって「歯科医となんでも話せ、通っていて心地いい場所」であることが基本です。
「こんなはずじゃなかったのに」と後悔をしないために、次の条件を歯科医院選びの判断材料にしてみてください。
あなたに合った歯科医に出会えることを願っています。
■1.「認定医」や「指導医」かどうか。
日本矯正歯科学会の「認定医」や「指導医」は、学会が認定した研修機関で、一定期間トレーニングを受け審査に合格した歯科医に与えられる資格です。
「認定医」は5年以上にわたり矯正歯科臨床研修を修了していなければ取得できません。現在全国に約2500人の認定医がいます。
「指導医」は、認定医であると同時に12年以上の矯正歯科の臨床・教育・研究に専従し、3年以上の教育歴がある歯科医に与えられる資格です。
大学歯学部では矯正歯科の基礎的な知識は勉強しますが、実際に治療を行えるレベルの教育は行っていないのが実状です。そのため、矯正治療を行うには大学卒業後に大学の矯正科などの矯正歯科専門の研修機関でトレーニングを積まなければいけません。
特に矯正治療の場合は治療が終わるまでに時間がかかります。かみ合わせの程度も患者さま各自様々なので多くの治療を経験するだけでなく、色々な治療例を見て勉強することも同様に必要です。
また、正しい治療方針の立て方や細かい治療テクニックは教科書に書いてあるわけではないので、良い指導者に一定期間は指導を受けることが絶対条件といえるでしょう。
このように、矯正を専門的に学び、かつ学会の資格を有していることは、その医師が矯正治療という難しい治療にどれだけ携わってきたのかを知る指標になることでしょう。
最近は、ホームページなどで「すべて非抜歯治療」を大々的に宣伝している歯科医院もあります。しかし、きちんとトレーニングを受けた矯正医なら「すべて」とは言い切れないはずです。
そもそも医療行為に「すべて・絶対」という表現はありえませんよね。
歯を抜かなくてもただ単に歯を並べることは出来るとは思いますが、治療後の安定性や口元の違和感や、そもそも歯にとって悪影響を与えることになりかねない場合があります。その場合は抜いて治療することのほうが良いということをきちんと説明できることが矯正専門の歯科医の責任だと思います。
なるべくなら歯は抜かない治療をしたいのは歯科医も患者さんも同じなのですから、そういった専門の話をきちんと話してくれるかどうかも、正確な知識と経験がある歯科医かを見極めるポイントです。
■2.矯正専門の医院かどうか。
矯正治療の進歩にあわせるだけではなく、その進歩を敏感に察知し吸収していかなければなりません。
一般歯科治療行っている先生が矯正治療も行っている場合もありますが、むし歯・歯周病・入れ歯などの治療と平行して、矯正技術を磨いたり進歩に追いついていくことはとても難しいことだと思います。
より丁寧に、より美しく、より早く矯正治療をしたいとお考えなら、やはり専門医の方が安心できることでしょう。
私自身、しばしば「先生はむし歯の治療はやらないんですか」と聞かれますが、いつも「やらせたら大変なことになりますよ」と答えています(笑)。
もちろん学生のときは実習もやりましたし、最終学年のときは臨床実習できちんと治療していました。
ただ、大学卒業後からずっと矯正治療一本でやってきましたから上手くないのです。
自動車のペーパードライバーと同じですね。
出来ないものを、さも出来るかのように嘘をつきたくないので、患者さんにはご面倒をかけますが、むし歯ができた場合は上手な先生をご紹介しています。歯を抜いたりする時も同じです。
それが矯正専門でやっている私なりのプライドだと考えています。
■3.どんな質問にも答えてくれる医師かどうか。
矯正医が当たり前と思っていることが、患者さんにとっては当たり前のことではありません。その逆も当然あります。
患者さんと矯正医が同じ目標を持って治療を進めるためには、コミュニケーションがきちんと取れることが大切なことです。
特に、専門知識が多い矯正治療ですから、難しい言葉を使わずわかりやすく、咬み砕いて話をしてくれる歯科医かどうかを無料相談がある歯科医院であれば、いろいろと質問をしてみるとよいでしょう。
また、長くお付き合いする矯正治療ですから、矯正医の人柄や性格があなたと合っているかどうかもポイントです。治療のことだけでなく、他愛ない世間話でも気兼ねなく会話できる先生かどうかで、これからの通院が楽しみになるか、苦痛になるかに大きく影響を与えます。
治療法だけを淡々と話すのではなく、カウンセリングをしっかり行い、あなたのライフスタイルを知って一緒に治療していこうという姿勢のある矯正医を選んでいただけたらと思います。
■4.料金や治療計画を明確に提示してくれるかどうか。
矯正治療は健康保険が使えませんので、各歯科医院で治療費は様々だと思います。その分、適正な費用がわかりづらくなっていますね。
矯正歯科の治療費は、総額方式と調整料が別途かかる方式に大別されます。
総額方式のメリットは通院回数によらず治療費が決まっている点、デメリットは一見すると高い感じがあることです。
逆に調整料が別途かかる場合は、一見安いと感じますが通院回数が長くなればなるほど最終的な治療費が高くなる欠点があります。
もちろん、非常に短期間で治ってしまえば安いのですが、その場合は総額方式でも安くなっていると思いますので一概には言えません。
いずれにしても、矯正治療は健康保険が使えませんので各歯科医院で治療費は様々です。
保険適用外の治療ですから、どういった治療にいくらかかるのか、追加費用は発生するのか、使用する器具によって価格が違うのかなどわかりやすく費用を明示してくれる歯科医院なら誠実さを感じられるでしょう。
一つ言えることは治療費が高いことと良い治療を受けられることとは全くの別問題です。
安くて良いものを追求する世の中で、歯科医療だけが高くないと良くないという理屈はおかしいのではないでしょうか?安すぎるのも疑問ですが??
■5.清潔で心地よい医院づくりをしているか。
アフターケアを含めると数年の治療期間を要してしまう矯正治療。
あなたがエステやマッサージに通うように、くつろげる空間であるかどうかもポイントです。
高度な技術を提供するだけが、医療サービスではありません。
患者さまが安心して通えるか、不満なく治療時間を過ごせ心地よく帰っていただけるかに配慮するのも大切な医療サービスのひとつです。
医院のどの場所も清潔に保たれ、プライバシーを守るための個室を完備していたり、患者さまをお待たせしない余裕を持った予約制を実施していたりと患者さま目線の歯科医院づくりをしているかは、治療スタイルが丁寧であるかどうかの現れでもあるのです。
矯正治療に関する疑問にお答えします
■1.表側矯正と裏側矯正の違いはなんですか?
歯を動かすためのブラケットいう装置を、歯の表側につけるか裏側につけるかの違いです。
治療中の見た目(審美性)をどの程度求めるかによって、表か裏かを選びます。
どちらを使っても、治療期間や仕上がりに大きな違いはないでしょう。
費用面は裏側矯正の方がかなり高くなります。
以前は表側矯正に使う器具(ブラケット)素材が金属だったので、歯が見えた時にはギラッと装置が目立ちました。そのため、矯正治療中の審美性を求められる方は裏側に装置をつけるしかありませんでした。
しかし、ブラケットの開発は日々進化しており、現在では歯の色にそっくりで、変色もしないセラミックブラケットが主流となりました。
さらに、ブラケット同士をつなぐワイヤーも、シルバーではなく、白くコーティングされたホワイトワイヤーやゴールドワイヤーが登場したことで、さらに見た目に優れた表側矯正が可能になっています。
しかし、やはり表側に装置が付くことにどうしても抵抗がある場合は裏側矯正がよいでしょう。以前は、しゃべりにくい、舌が痛い、食べ物が詰まる、歯みがきがしにくいなどの問題がありましたが、現在は装置の進化に伴い、ほとんど気にならないレベルになりました。
治療期間や仕上がりは、表側と裏側の差ではなく治療前のかみ合わせの状態に左右されると考えられますので、見た目と費用のご希望に合わせて表か裏かを選択するとよいでしょう。
■2.矯正歯科と審美歯科の違いはなんですか?
機能と美しさを求める目的は同じですが、そのための方法が違います。
矯正治療は歯そのものの位置をゆっくり動かしてかみあわせを改善する治療法ですが、審美歯科は歯の位置を動かすのではなく、セラミックなどのかぶせ物や詰め物を用いて歯の形を変える治療といえます。
審美歯科は治療期間が短いという利点もありますが、歯の表面を削って「差し歯」にしたり、健康な歯の神経を抜く場合があります。
■3.矯正治療は何歳まで受けられますか?
何歳になられても治療は可能です。
矯正治療は歯を支えている骨の中で、歯を動かしていく治療方法です。歯槽膿漏のように歯がグラグラになっていない限り、何歳でも治療は可能です。
「せっかく治療するのなら若いうちに治しておかないと。」
そんなことはないのですが、確かに若いうちに治療するチャンスがあればそれはそうです。
人の一生は限られているのできれいな期間が長いほど良いですね。
でも、50代・60代で治療を開始することも、ちゃんと意味はあります。
歯を支えている骨は、どんなに健康な人でも年を重ねると必ず少しずつ痩せていきます。
その時に歯並びが悪いと、かむときの力が歯に斜めにかかってしまうので、
次第に歯並びが崩れてしまうことが考えられます。
やはり、いつであれきちんと治しておくことは大事なのです。
もう無理とあきらめているかたも、一度相談をされてみてはと思います。
■4.矯正治療中ってどれくらい痛いの?
痛みがまったくないとはいえませんが、想像されているより痛くありません。
ブラケットにワイヤーを装着すると、歯のでこぼこを治そうと持続的に歯に力がかかります。歯が動く時には、骨の中の歯根周囲で炎症反応が生じ、それが痛みの原因となっています。
そのとき、むし歯の痛みと違った歯が浮くような感じがする場合や、物をかむときに鈍い痛みを覚えることがあります。この痛みは数日続くことがありますが、1週間くらいで消失します。
当院では治療初期には極めて弱い力で歯を動かしますので、炎症の度合いが少なく、あまり痛みを感じることはないでしょう。
痛みの感じ方は個人差がありますが、実際に当院に通院中の方の中には、全く痛くないですと言われる患者さんもたくさんいらっしゃいます。
その他、痛みの原因は、治療中の矯正医の手さばきにも大きく影響します。経験値の高い手際のよい矯正医の方が、痛みは少ないと言ってよいでしょう。
■5.矯正装置を着けたら、食べ物の制限はありますか?
基本的に制限はありません。
治療を始めたばかりの頃は、ワイヤーが細く柔らかいのでキャラメル、ガム、グミなどが引っ掛かり、ワイヤーが外れてしまうことがありますので控えたほうが無難です。
しかし、ある程度治療が進めば基本的に食べ物の制限はありません。
当院の患者さまは、皆さま何でも食べていらっしゃいます。
■6.治療後、もとに戻ったりしませんか?
すべての患者さまは、矯正装置をはずした後に保定を行う必要があります。
歯を動かす治療が終わったあとは、新しい歯の良好な位置を維持するための保定が始まります。
移動完了直後の歯は若干動揺していますので、きちんと保定を行わないと歯が動き出す場合があります。
通常、保定装置(リテーナー)という後戻りを防止する取り外し可能な装置を用います。
この装置をきちんと使用することも矯正治療の大事な一部です。歯の位置が安定してくれば就寝時のみの装着でよくなります。
保定は、最低でも2~3年は使い続けることで、正しいかみあわせを長く維持することができます。
また、年に1回の定期健診を受けることも大切です。
■7.結婚式の日だけ矯正装置をはずすことはできますか?
大丈夫です。
結婚式、成人式当日、あるいは事前の写真撮影にあわせて矯正装置を一時的にはずすことは可能です(当院の場合)。
治療の仕上がりに特に影響が出ることもないでしょう。
スケジュールを立てて支障ないようにしますので、なるべく早めに担当医に相談しましょう。
当院は一時的にはずす際に、追加費用はいただいておりません。
歯並びのプロとして
矯正治療の診断をするのに必要なものは一体なんでしょうか?
通常、精密検査ではレントゲン・写真・歯型をとり問診もします。
レントゲン写真では骨格的な問題や前歯の角度など細かいコンピュータ分析を行います。
こうした事前準備はとても大事なものです。
ただ、私の場合、よほどの難症例でない限りは「第一印象のイメージ」を最も大事にしています。
そのイメージが科学的・医学的に妥当なものなのか、大学で勉強してきた矯正学の範囲を逸脱していないかをコンピュータ分析の結果と照らし合わせて、患者さまと話し合いながら最終的な診断・治療計画を作成していきます。
検査結果を平均値に近づけるための治療計画を作るのではなく、「第一印象のイメージ」を重視することで、その患者さまだけの治療法が見つかると考えています。
もちろん矯正治療を勉強し始めの若い先生は、きちんと手順をふんで勉強をしていく必要がありますが。
様々な症例を経験してきた今、技術を向上するだけでなく、その患者さまに一番最適な治療法を完璧に施すには、「コミュニケーション」が一番大事だと感じているのです。
雑談を踏まえた様々な会話の中から、患者さまのライフスタイルやどんなかみ合わせにしたいのかの希望を伺うとともに、私自身の人となりも知ってもらいたい。
そして専門医として患者さまと一緒に治療計画を立てていく。
ここが、技術や知識だけではまかなえないプロとしての技量の見せどころだと思っています。
―おわりに―
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
現在の矯正治療は、どんどん進歩し、以前のように見た目が悪い、痛いだけではなくなっていることが少しはおわかりいただけたでしょうか。
その分、専門性も高まり、矯正医は、技術の研鑽と経験のレベルをますます上げていかなければなりません。
それに加え、患者さんが綺麗になりたいと思う気持ちが強いと、治療は本当にやりやすいものです。
患者さまのモチベーションが高いと、次回来院時の変化を見るのが本当に楽しみです。
患者さまと一緒に治していくということが治療成功の秘訣だと思います。
現在、治療中の患者さまも、これから矯正治療を始めようと考えている方々もがんばって美しい歯並びを目指しましょう!